姫嶋歯科医院【奈良 県 奈良 市 菅野台の歯医者】顎関節症
めまい、肩こり、突発性難聴、不定愁訴…
その症状、原因は”顎関節症”かもしれません
めまい、肩こり、突発性難聴や、なんとなく気分がすぐれない
不定愁訴などの不快な症状。原因は、顎関節症かも知れません。
顎関節症とは、あごの関節の位置異常によって起こる病気です。
顎関節症の原因
顎関節症とは読んで字の如く顎関節の病気です。
顎関節症が発症する原因は色々あります。
- あごの関節が変形している場合
- あごの関節が片側に偏っている場合
関節円板に原因がある場合
いずれの場合でも顎関節の位置異常によって起こります。
下あごの骨の関節の凸の部分(下顎頭:かがくとう)と上あごの骨の関節の凹の部分(下顎窩:かがくか)の正常な位置にないまま、長時間放置すると異常が起こってきます。
噛んだとき下顎頭(かがくとう)が下顎窩(かがくか)のほぼ中央、中心位にある→安定していることが重要です。
下顎頭が下顎窩の正常な位置にあるかどうかは、 歯の噛み合わせによって決まります。
顎関節がずれた位置のままストレスのかかる仕事や、スポーツ等で長時間噛み続けることにより顎関節症を引き起こすと言われています。
下顎頭が下顎窩の中心位にあれば、安定しているので安心なのですが、噛み合わせが悪いと下顎頭の位置がずれて中心位になく、安定しない場合があります。
この状態が長く続くと顎関節症になると言われています。
しかし、人は朝、昼、晩の3回の食事で上下の歯が接するのは15分から20分だと言われています。
それ以外は安静空隙という状態で上顎と下顎の歯はほとんど接触していません。 上下の歯が接触しなければ、噛み合わせが悪くても問題は起こりません。
しかし、人間にはストレスがあるときには睡眠中に知らず知らずのうちに長時間噛みしめる(1時間〜4時間)ことで下顎が常に異常な位置になり、下顎頭が下顎窩の中心になくなり、顎関節症を引き起こします。
顎関節症の発生要因
噛み合わせの悪い人にストレスが加わったときに噛みしめる時間が長くなる(1時間〜4時間)ことにより発生することが多いと言われています。
顎関節症の治療法
Ken Articulator
顎関節症の基本的な治療は、原因を取り除くことです。つまり、「噛みあわせ異常」を正常に戻すか、「ストレス」を取り除くことです。ただし、ストレスを取り除くことは現代社会では非常に難しく、また頭痛や不定愁訴等の症状自体がストレスになっていることもあるため、噛みあわせ異常を正常に近づけるアプローチを行います。
まず、多面的に診断を行い、正しい位置にマウスピースを装着し調整を行います。
このとき、マウスピースを正しい位置に装着することが治療の上で最も大切なのですが、姫嶋歯科では『Ken Articulator』という顆頭安定位を正確に見つけるための器具を用いています。
この器具を用いて取った型を『KEN BITE』と呼んでいます。正確な型を取ることが治療に於いて非常に大切な要素となります。
治療の流れ
1.診断
【視診】 |
上下前歯、小帯の位置確認、開口軌跡の確認を行います。; |
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【触診】 | 口を開閉していただき左右顆頭の運動状態を触診します。 |
【問診】 | 全身に現れうる症状(肩こり、首筋のこり、頭痛、めまい、耳鳴り等)があるかどうか伺います。 |
【レントゲン画像での診断】 | パノラマレントゲンを撮影し上下の歯の接触関係を調べます。 |
【模型での診断】 | 上下の模型を用い、ファセットの位置関係を調べます。 |
【咬合器による診断】 | KEN BITEによる中心位での咬合状態に近づけます。 |
2.治療
- KEN BITEにより一時的顆頭安定位を見つけその位置でマウスピースを装着します。
- 1〜3ヶ月間 マウスピースを装着した後、再びKEN BITEを使って経過観察します。変化が現れなければ薄さ等を調整します
- さらに1〜2ヶ月間後、KEN BITEを使って微細な調整を行い、再度経過観察します。
全体で治療期間は8ヶ月〜1年間ほどとなります。
最終的にその患者さんの正常な噛み合わせを取り戻すことで顎関節症は治ります。
下顎頭が関節窩の居心地の良い位置にあることで、人間の持っている自然治癒力が働き症状を改善していくのです。
顎関節症の症例
阿●富●子さま
性別 | 女性 |
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主訴 | 頭痛・肩こり・咀嚼障害 |
治療前症状 | 5年前に全体的な治療が終了。 治療終了時から頭痛、肩こり、クリック音があったが、3年ほどたってから臼歯部のインプラントの状態が悪くなり、クリック音が酷くなり、頭痛・肩こりも酷くなってきた。 |
診断・治療方法
初診及び治療経緯:基礎資料を収集しKEN BITE をとり、模型をKen Articulator に取り付け、診断を行う。 まず、ソフトスプリントを装着する。
1.KEN BITEを取り現段階での中心位でソフトスプリントを装着する。
2. スプリント装着後まず1週間で、再度KEN BITEを取り、中心位の確認をする。
3. これを繰り返してターミナルヒンジを探し出す。
4. 同じバイト位置で3ヶ月経過観察を行い、安定を見たら次に進む。
5. ターミナルヒンジにて咬合器の咬合を見ると、スペースが出る。
6. このスペースにレジンスプリントを装着し24時間、1〜2ヵ月経過観察をする。
治療経過
スプリント装着時から肩こりが楽になり、何度かバイトを取り中心位の確認が取れるころには、頭痛も、肩こりも楽になってきた。
ハードスプリントに変更し、より正確な中心を確認し咬合、症状が安定する。
治療後
7. 観察後安定、症状消失を見て永久固定をする。
岡●政●さま
性別 | 男性 |
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生まれ年 | 昭和37年 |
主訴 | 咀嚼障害 |
治療前症状 | 臼歯部の補綴物2次カリエスによる脱落・根尖病巣・歯牙破折といった症状がある。 |
治療前
患者の主訴ではなかったが、右側臼歯部にクリック音があり(ご本人はこんなものだと思っていた)診断を進めていくと、咬合異常による顎関節症と診断。
顎関節症状を治して最終補綴処置に移る。
治療方法
1.通法でソフトスプリントを入れ、肩こり、クリック音軽減。
2. ハードスプリントによる、顎関節の最終治療を行った。
中心位安定後
3. レジンスプリント作製、これが安定後。
治療後
今回はメタルスプリントを装着し最終としたが、通常は補綴処置をする。
中●憲●さま
性別 | 男性 |
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生まれ年 | 昭和23年 |
主訴 | 多数歯欠損患者の顎関節症 |
症状 | 上顎総義歯、下顎に多数歯欠損義歯が装着されているが、右側顎関節部に違和感があり、肩がこる、頭が痛い、腰が痛い、といった症状に悩まされている。徐々にクリック音が大きくなり症状もひどくなってきた。 |
初診及び治療経緯
デンチャーにレジンキャップを付け咬合を改善するとクリック音がいきなり消え、1ヶ月後には肩こり、頭痛、が消えた。腰痛は徐々に改善してきた。
治療方法
1.義歯不安定、肩こりなどの諸症状があったので、KEN BITEを採得。
2. 咬合器上で咬合不適合を確認。
3. 咬合器上でレジンスプリント臼歯部全面接触をさせる。
4. 咬合器上と口腔内スプリント状態が一致したことで、同調を認め症状の改善を認め最終補綴作成を行った。
治療後
クリック音がいきなり消え、1ヶ月後には肩こり、頭痛、が消えた。腰痛は徐々に改善してきた。